現在進行形で修繕積立金を改定しようとしている理事会に対して、とある匿名掲示板で不平不満の大荒れとなっている件についてのはるぶーさんのエントリをまずご覧ください。
これについて私もちょっとコメントしたいと思います。なお、匿名掲示板はちょっと見てみましたが3~4ページほど見てお腹がいっぱいになったので読むのをやめております。
要約
先のエントリで挙げられた4つのポイントのうち、1つ目の
① 直前の総会で、積立金の改定に必要な総会の決議レベルが、全戸の3/4の特別決議から過半数の通常決議に代えてある。本来特別決議であるものを、二段階で気付かせずに外しているのは不適切だ
についてはるぶーさんがコメントしていて、だいたいこんな内容です。
- 修繕積立金改定の議案はそもそも普通決議でOK
- 部屋タイプごと積立金額が別表にベタ書きされているなど、別表が規約の一部のように見えてしまう場合は、規約の変更にあたると見なされ特別決議が必要
- 2の規約の建て付けの悪さを解消することと、修繕積立金改定は別問題なので、先に規約を修正してから修繕積立金を改定することは問題ない、というかむしろ良い
私も同意見です。
で、うちの場合
修繕積立金を改定した顛末記にも書きましたが、先月臨時総会で承認いただいた議案は規約の建て付けの悪さ解消と修繕積立金改定を包括的に行うものでした。
実は「修繕積立金改定を10~11月頃に臨時総会を開いて上程します」と5月の通常総会とかで予告しておいたのですが、その後になって積立金額別表ベタ書き問題に気づいてしまうという経緯がありました。そのベタ書きっぷりはそれこそ
弁護士 篠原みち子先生のマンション管理お役立ちコーナー|一般社団法人 マンション管理業協会
の相談事例①で例示されている文章そのままです。管理会社は「いや普通決議で大丈夫ですよ」と言っていたのですが、後で組合員からこれを持ち出されてごねられても困るので特別決議に踏み切った次第です。
1つの総会の中で2つの議案として出すという方法もなくはないのですが、1つの特別決議が「特別決議と普通決議」に増える上、1つ目の特別決議が否決されたら2つ目の普通決議が特別決議に変わるかそもそも決議できなくなるか、という状況になるので、それはさすがに混乱の元になるだろうと考え却下しました。
ただ、1つの議案の内容が膨らむと、その中の1ヶ所が気に入らないだけでまるごと反対されてしまうことになりかねず、基本的には不利になります。うち(というか私)の場合どうなったかについては、修繕積立金を改定した顛末記をご覧いただければと思います。
うちも説明会は2回でしたから、匿名掲示板に書き込んでいる方々には「説明責任を果たしていない」とか言われかねないのですが、来なかった人向けに説明会資料の要約版を作って全戸配布するなどした結果、かろうじてですが特別決議を承認いただきました。
言いたいこと
マンションデベロッパーの方々へ
国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドライン(PDF)の9ページ目にも
将来にわたって安定的な修繕積立金の積立てを確保する観点からは、均等積立方式が望ましい方式といえます。
って書かれているんですし、初期設定を段階増額積立方式にするのをやめましょうよ。それに大規模修繕工事を12年毎に設定にしているなら30~36期に積立金不足に陥りやすくなるのですから、長期修繕計画の計画期間も最初から3回目の大規模修繕を含むくらいに設定しましょうよ。
匿名掲示板で不満を撒き散らしている方々へ
当該管理組合の修繕積立金の改定は普通決議でできることになっているわけですから、本当に気に入らないのであれば総会で反対票を出し、それでも議案が承認されたら、翌期に理事になり仲間を集めて元の金額に戻す議案を上程してはいかがですか?
今のように外部の人たちからも見える、マンション名の入った掲示板が荒れている状態は、中古購入検討者が離れて資産価値が落ちる要因になりかねませんよ。